日本中には数多くの温泉があります。その中でも泉質の珍しい温泉を紹介します。
今回は「炭酸泉」についてです。
ラムネ湯とも呼ばれる炭酸ガスが溶けた炭酸泉
泡がシュワシュワとはじける、いわゆる炭酸泉は「二酸化炭素泉」に分類されます。温泉水1kg中に遊離二酸化炭素が1,000mg以上含まれていることが基準です。入浴すると体に泡がついてくることからラムネ湯と呼ばれています。二酸化炭素には抹消血管拡張作用があり、入浴部位などの皮膚の血流改善効果が顕著にもたらされます。これは温熱作用による血管拡張作用とは異なるメカニズムであり、これに温熱による血管拡張作用や血流改善効果が相乗的にもたらされます。
もう一つの炭酸がつく泉質は「炭酸水素塩泉」です。温泉水1kg中に溶け込んでいる物質が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が炭酸水素イオンであることが基準です。この泉質は塩類泉として温熱効果があり早く温まることと、湯上りはさっぱりとするという特徴を持ちます。
炭酸泉の効能(適応症) | |
二酸化炭素泉 | 炭酸水素塩泉 |
きりきず、抹消循環障害、冷え性
自律神経不安定症 |
きりきず、抹消循環障害、冷え性
皮膚乾燥症 |
全国の有名な炭酸泉
《二酸化炭素泉》
青森県青森市駒込深沢にある温泉。泉質が酸性・含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉・37.9℃の「らむね湯」があります。自然に湧き出ている温泉で、体に多くの気泡(炭酸ガス)が付着する、全国でも珍しい温泉です。
《炭酸水素塩泉》
秋田県の十和田・八幡平国立公園の乳頭山麓に点在する七湯が「乳頭温泉郷」と呼ばれています。含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉の温泉が湧き出ています。冬に訪れると雪中温泉としても楽しめます。