5月ですが、盛夏を思わせるような真夏日が続いています。
そこで、今回は夏を代表する魚である鮎と付着藻類調査についてお話ししたいと思います。
鮎はスイカやキュウリに似た爽やかな香りがするため、「香魚」と呼ばれており、釣りたての鮎は特に香りが強いそうです。
稚魚の時には水生昆虫等を捕食し、成魚になると石の表面等に付着している藻類を捕食する食性を持っており、この食性が独特の香りを生むといわれています。
鮎は上述のように藻類を捕食しますが、川床の石礫に付着している珪藻、藍藻、緑藻等の藻類の総称を付着藻類といい、この付着藻類は、鮎の主要な餌となっているほか、水質汚濁の生物指標としても有効であるとされています。
当財団ではこの付着藻類に関する分析も行っています。
河川から拾い上げた礫の表面をブラシ等でけずり落したものを試料とし、分析結果をもとに鮎の生育環境も考察します。
昨年度の調査地点では河床の石の表面に数多くの「食み跡(はみあと)」が確認された他、分析結果としても鮎の餌場として大変良好であるとの結果が得られました。
魚類と水質の関連を調べる検査としては主に水産用水基準が用いられますが、今回紹介した付着藻類調査は食性に合わせた調査であり、水質検査に比べ、より魚の生息環境に迫ることができるため調査目的によっては大変有意な調査になります。
今回は鮎との関連が強いとされている付着藻類調査の紹介でした。
鮎の食み跡
試料採取状況
環境部では、付着藻類調査以外にも様々な検査を行っています。詳しくはこちらをご覧ください。