当財団では再生コンクリート砂、改良土の六価クロム溶出試験を受託しております。
六価クロム溶出試験の結果が、基準に合格した場合は改良土等として使うことができます。しかし、基準を超過した場合は汚染土壌として対処する必要があります。
リンク先に溶出試験に関する情報を載せていますので、興味がある方もない方もぜひご一読ください。
さて、今回のコラムはこの溶出試験における苦労話です。
まずは、下の写真をご覧ください。
そうです。コンクリート片です。
溶出試験をご依頼いただいた試料には、写真のようなコンクリート片が含まれます。比較のために、ペットボトルの蓋(直径約3cm)を置いてみました。試料の大きさは様々ですが、小指の先ほどの欠片もあれば、握りこぶし大の塊のときもあります。
溶出試験は、これらのコンクリートを砕き、2mm目ふるいを通過したものだけを対象とします。
コンクリート片を砕く際には、器具から六価クロムを汚染させないため、金槌は使えません。クロムは金属元素のため、金槌の素材に含まれていることがあるからです。
では、どうやって砕くかというと、樹脂製の槌を使います。
これを使って、試料を何度も何度も叩いて叩いて砕きます。
まとまった数の試料があるときは、全ての試料が粉々になるまで何十分もかかることがあります。そんな時は腕が上がらなくなるほど疲れてしまいます。
漫画のように一撃粉砕!なんてことはありません。現実は、とても固いのです。
機器で砕くことが出来たら楽なのに・・・といつも思ってしまいます。
しかし、この砕く作業は、試料を均一にして行う溶出試験には不可欠な工程です。
そして最後の写真が、砕いてふるい分けした後のものです。
環境検査課では、ご依頼いただく溶出試験への期待に応えるために、迅速かつ正確な検査結果が出せるように今日も一生懸命叩いています。
皆さんからのたくさんのご依頼を、お待ちしております!