日本の国旗は日の丸、国技は相撲、国鳥はキジですが、国菌は何か知っていますか?
日本の国菌はカビの一種である麹菌の中の二ホンコウジカビだそうです。
えっ!国を象徴する菌がカビなの!?と思われる方もおられるかもしれませんが、二ホンコウジカビは今から1300年以上前から利用されており、私たちにとってとても身近な存在です。黄麹菌やアスペルギルス・オリゼーとも呼ばれ、味噌や日本、酢、みりん、甘酒の原料になっています。『もやしもん』でおなじみのあの子ですね。
カビは私たちの生活に密接に関わっています。
カビによってつくられる発酵食品や薬の原料など人に役立つものもいれば、アレルギー疾患、食中毒、水虫(カビが引き起こす病気)など人に害を及ぼすものもいます。段ボールの底でカビが生えたみかんや長い間着ていなかった服に生えたカビを見つけると悲しい気持ちになりますよね。さて、カビは一体どこからきているのでしょうか。
カビはどこから
カビの元々の住処は土の中で、1g中に数十万以上います。土の中でカビはとっても大切な仕事をしており、動物や植物や昆虫など様々な生物の死骸を分解して土に返しています。
水や風によって空気中に舞い上がったカビは、自分に都合のいい場所に落ちるとあっという間に生えて広がっていきます。
パンやお餅など、たまたま水分や栄養分があるところに落ちたカビはそこでみるみる大きくなります。でも、運悪く、乾燥したテーブルの上に落ちたカビはどうなるのでしょう?生えることができず、いつか死んでしまいます。
カビが生えるには
▷ 栄養:人と同じく酸素は必要です。食品はもちろん、垢やペンキ、プラスチックまでエサになります。
▷ 温度:20℃くらいが大好きですが、凍らなければ少々寒くても平気です。
▷ 湿度:60%以下は苦手で、水分は重要です。
代表的なカビ
▷ アカカビ:土や植物がついた湿っぽい場所が好きで、赤っぽい色素を出します。
▷ クロカビ:空気中にたくさん飛んでいます。家の中の水回り(お風呂や台所)が好きです。
▷ アオカビ:青緑色のカビの仲間です。毒をつくる仲間もいれば、食べものの風味を増してくれる仲間もいます。
他にも最初に紹介したコウジカビやツチアオカビ、ススカビなど…、身近なカビは色や好きな場所といった親しみやすい?名前がついているようです。
カビはふつうに空気中にいて、カビの好きな条件がいくつか揃うとあっという間に生えて広がってしまいます。一旦カビが生えてしまうと、どんなものでもカビが生える前のきれいな状態に戻すのは難しいので、カビを生えさせないことが大切です。
さて、そんなカビの話が2023年6月12日(月)9時20分頃~10分間、RSKラジオの番組内のコーナーでも聞けちゃいます。カビの特徴を知って、どのようにカビと共存するか考えていきたいですね。