岡山県健康づくり財団では浄化槽の法定検査をしております。
今回のコラムは、夏に特に気になる浄化槽の「虫」の話をしたいと思います。
浄化槽に流入してくる生活雑排水をキレイにするためには、微生物が重要な働きをしています。正常な浄化槽の内部は微生物だけでなく、その他の多くの生物にとって快適な環境(栄養、温度、水分等)が保たれています。ですから、虫がいるからといって必ずしも悪い事ばかりとは限りません。浄化槽がうまく機能しているサインかもしれません。
しかし、家の中に虫が入ってくると嫌なものです。家の中にカやハエなどがいる場合は、住みやすい環境(浄化槽)で大量発生してしまった虫かもしれません…。カやハエなどの虫は不衛生ですし、他にも見るだけで不快な虫もいたりします。
虫の駆除のために下の写真のような対策をしている浄化槽もありますので、虫の対策をお考えの方は、浄化槽の保守点検を委託している業者さんに相談してみてはいかがでしょうか?
人にとって不快な虫といっても2種類に分類することができます。
浄化槽の周りでよく見かけるチョウバエは人に不快感を与える「不快害虫」です。
人間に対して直接的な被害を与える「衛生害虫」はカ、ダニ、ノミなどですが、血液を媒介してウイルスや寄生虫を感染させます。中でもカは人の命を大量に奪ってきた生物としても有名です。よく知られるものには、日本脳炎を媒介するアカイエカ、海外ではマラリアを媒介するハマダラカなどが挙げられます。
《浄化槽でよく見る虫たち》
◆チョウバエ
◆蚊(チカイエカ、ヤブカ、アカイエカ等)
浄化槽に関わる仕事をしている私たちは、微生物だけではなく、虫も「ムシ」することができません。浄化槽の状況を知るための一つの指標になるからです。
多くの人にとって虫は不快であり、不衛生であるかもしれません。しかし、人間にとって有益な生物だけが元気で、有害な生物だけがいなくなる、というのは「ムシ」のよい話かもしれません。