爽やかな季節にはピクニックをする機会が増えたり、またコロナ禍でテイクアウトを利用する機会も増え、お弁当やサンドイッチなどを調理したり購入されたりすると思います。
お弁当を調理したり食べたりする際に気を付けていただきたいのが黄色ブドウ球菌による食中毒です。顕微鏡で観察すると特徴的なブドウ状の塊となって見える菌で、自然界には広く分布しています。
黄色ブドウ球菌の特徴
〇ヒトの皮膚、鼻孔、傷口などに広く分布している。
〇菌が出すエンテロトキシンという毒素によって食中毒がおこる。
〇エンテロトキシンは熱にも乾燥にも強く、菌が死んでも毒素は残る。
〇毒素を摂取すると平均3時間で、嘔吐、下痢、腹痛を発症。
〇食品は調理する人の「手」を介して菌に汚染されることが多く、あらゆる食品が食中毒の原因になりうる。特におにぎり・サンドイッチ・ケーキなど素手で扱う「手づくり食品」が原因になることが多い。
毒素は菌が増殖する過程で作られるため、菌の増殖と二次汚染*を防止することが予防のポイントです!
*「二次汚染」とは…調理する人や原材料についた菌が、手指や包丁・まな板などの器具を介して、菌がついていない食品を汚染すること。
予防
〇手指の洗浄と消毒を徹底する。
加えて、手指に傷がある人は直接調理に携わらないことです。消毒した後にうっかりエプロンで手を拭く、なんてこともNGです。おにぎりやサンドイッチの調理には、ラップや使い捨ての調理用手袋などを活用しましょう。
〇まな板、包丁、ふきんなどはよく洗い、熱湯消毒や次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。
〇食品を室温で長時間(2時間以上)放置しない。
黄色ブドウ球菌の毒素は加熱しても破壊できません。残った食品の加熱再利用はやめましょう。低温管理ができないときは、放置せずに早めに食べることが大切です!
衛生的な手指・器具で調理し、出来た料理は早めに食べましょう!
当財団では、製造・販売される食品の品質管理や賞味期限設定の為の科学的根拠となる微生物検査も行っています。
今回紹介した黄色ブドウ球菌だけでなく、食品の種類やご要望に応じた細菌の検査を行いますので、お気軽にお問合せ下さい。