”甲状腺”というと、言葉を聞いたことはあるけれど、良く分からないという方は多いと思います。
そこで、今回は、甲状腺について数回にわたりお話しようと思います。
甲状腺ってどこにあるの?
甲状腺は首の前部、のどぼとけのすぐ下にあります。重さが16〜20g、大きさが縦4.5cm、横4cmくらいの蝶の形に似た小さな臓器です。
甲状腺って何をする臓器?
甲状腺は、食べ物に含まれるヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌する臓器です。甲状腺ホルモンには、体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きがあります。つまり、活動するために必要なエネルギーを作り、快適な生活を送るためになくてはならないホルモンなのです。そのため、甲状腺の形やホルモンの働きに異常があると、全身の不調を招いてしまいます。
甲状腺の病気ってどんなものがあるの?
甲状腺の病気は、大きく3つのタイプに分けられます。
●甲状腺機能亢進症・・・・甲状腺から甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、代謝が高まった状態
●甲状腺機能低下症・・・・甲状腺から分泌されるホルモンが不足し、機能が低下した状態
●腫瘍(良性・悪性)・・・・甲状腺の一部にこぶ(結節)ができた状態
甲状腺疾患の大きな特徴として、患者の多くが女性であること、典型的な症状があまりみられないことの2つが挙げられます。初期症状が更年期障害や体調不良による症状に似ているので、発見が遅れたり、気づかないまま過ごしていたりする「隠れ甲状腺疾患」の方が多いのです。きちんと検査を受けて治療をすれば、支障なく日常生活を送れる疾患ですので、ご自身の体に意識を向け、早期発見・治療につなげましょう。